私は長崎県の佐世保市というところで育ちました。
日本の最西端の地にあります。
幼少の頃、私は佐世保市の福石町に住んでいました。
ここには、福石観音、清岩寺(真言宗)というお寺があります。
幼い頃は、この場所を不思議な空間の地だと感じていました。
時を経て空海(弘法大使)さんが佐世保に来た時、福石観音で密教的な祭事も行われたでしょう。
唐から帰った空海さんは唐で学んだ宿曜術を密教として日本に持ち帰りました。
空海さんの時代の佐世保の地は今とは違い、漁村を中心とした辺鄙(へんぴ)なところだったようでした。
空海さんは、仏教的観念が強い場所に伝説を残していったのです。
空海さん亡き後は、お弟子さん達が伝説を引き継いでいます。
(※ただし、真言宗【高野山】では空海さんはまだ生きているとされています)
福石観音は、九州国33観音霊場第27番札所になっています。
福石山には砂岩をくり貫いた岩窟が有り、空海さんが「五百羅漢」を安置したとされています。
佐世保に行かれた方は、ぜひこの岩窟を目にしてください。
私が5歳の時、初めて福石山に丸坊主の大きな砂岩を見て以来、この丸坊主を今でも気に入っています。
福石山の頂上部に鎮座しているので、この丸坊主もぜひ見てください。
いわば、この丸坊主は、佐世保の「エアーズロック」のようです。
福石観音清岩寺の境内にある岩窟は「海食洞」です。
空海さん以前、リアス式の漁村に行基上人が修行の途中で海で拾った光る流木から観音像を彫って
この寺に祀ったという言い伝えが残っています。
行基上人は、御橋(おはし)観音寺にも観音像を寄進しています。
福石山の本堂のある谷にも洞穴が有ります。
「五百羅漢窟」に行く途中に「座禅岩」という、空海さんが瞑想をされたという伝承の巨石があります。
この洞穴の周辺に「竜神洞穴遺跡」がありますが、あながち風水との絡みも含んでいると考えます。
空海さんは唐より、風水(墓相)も学んできたからです。