コラム記事

出雲の天狗山の結界の門番?!

出雲といえば、「出雲大社」が有名ですよね。
しかし、「出雲大社」は、ここ出雲地方ではまだ新しい場所になります。
出雲の歴史は古く、「出雲大社」がまだ無かった頃は、「熊野大社」が出雲の唯一の「一之宮」でした。
「熊野大社」の御祭神は素盞嗚尊で、火の発祥の神社として「日本火出初之社」(ひのもとひでぞめのやしろ)とも呼ばれます。
素盞嗚尊から教わった火起こしの方法を伝える「鑚火祭(さんかさい)」が毎年10月15日に行われています。
熊野大社には、発火の神器である燧臼(ひきりうす)と燧杵(ひきりきね)が大切に保管されております。


ここで起こされた火は、出雲大社に運ばれ、出雲大社の神事に使われています。
この「熊野大社」の前身は、元宮跡の天狗山(熊野(くまぬ)山)です。
遠い昔、熊野山にあった逢拝殿が落雷などで焼失したので、今の「熊野大社」の地に再興されたのだそうです。
この場所には斎場跡があり、毎年5月第四日曜日には、ここで熊野大社の神職をはじめ地元及び全国各地からの方々により元宮祭が執り行われています。

私の父は、島根県の八雲村熊野の出身で「熊野大社」の近くで生まれ育ちました。
なので、よくこの歴史を子供の頃から聞かされていました。
ちなみに、父の父つまり私の祖父は、熊野大社の総代を長い間やっていて、
さらにここの村長も30年弱やっておりました。
それもあり、父は熊野大社のことは本当に詳しかったです。

父は、郷土史家でもあり、今では絶版となっていますが以下の出雲の本も出版しました。

  • 「出雲国一の宮熊野大社 (1977年) 」
  • 「出雲八雲の里旧跡古事観光案内―「国引」「熊野焼」紹介 (1982年) 」

※本屋にはもう置いていませんが、父の実家にはまだ本があります。
興味がありご購入したい方はメールください。

父は特に熊野大社のことを熟知していました。
父から、この天狗山(熊野山)のことをよく聞きました。
昔、私が30歳代の時、父の実家に行った折に、一度この天狗山に登ろうとしました。
その時身体がしんどかったので、少し横着をして軽自動車で登ろうとしたのです。
あと少しというところで、車がいきなり止まってしまったのです。
点検してもどこも問題がありませんでした。
30分程経った後、登るのはやめていったん引き返そうとした時、一匹の黒蛇が前面に横たわっているのを見ました。
150cmはありそうで、カラス蛇の一種かと思われます。鎌首はこちらを向いています。
この時私は、この先は行かない方がいいな、と感じ引き返しました。車をゆっくり押しながら登り口まで戻りました。
そして戻った瞬間、車のエンジンが起動したのです。全ての車の計器は正常に戻っていました。
今思うと、あの黒蛇は、あの神域の結界の門番だったのではないかと感じています。
そして、車が止まったのは、「車というもので神域を侵すな!」という熊野祭神の警告だったのではなかったのかと、納得しました。

まだ他にもいろいろあります。また書きますね。