間取り

間取りは風水と家相とでは何が違うの?

そもそも【風水】というのは「墓相」から出たもので、中国で2500年程前から存在しています。

中国の陰陽五行の理論を取り入れ、気の流れを整えることで、吉凶を知り、幸福を得ようとする学問思想です。

吉凶を判断する2つの方法
  • 1、地形の状態と氣の流れとの関係
  • 2、”玄関の向き”での判断(宅卦)と生年月日での判断(本命卦)

家相は、日本独自に発達したもので、家の吉凶を判断する為の学問思想です。
家相では、東西南北と北東・南東・北西・南西の八方位に分け、それぞれのエリアの特徴や適する利用方法を教えています。

特に、家相は天保年間(1830~1844)に京都・大阪・名古屋・江戸で家相ブームが有り、当時の社会現象に発展しました。

風水と家相の違いは?

まず、【風水】は、3つの種類があります。
それは、「陰宅風水」「陽宅風水」「地理風水」です。

「陰宅風水」は、死者の住まう場所、すなわち墓の吉凶を取り扱うものであり、「陽宅風水」は、生者の住まう家、現在生きている人のための風水です。

もともと、風水は墓相の中から出たものであり、古代中国の考え方では、
先祖の墓を良くすれば子孫が繁栄する、という考えのもとで、お墓を風水の良い土地に作ります。

その後、今を生きる子孫が住む【家】を「陽宅風水」で気の流れを修め、運気を良い流れに持っていきます。

【家相】は、中国からきた「奇問遁甲」。さらにその「奇問遁甲」から日本で生まれた「九星気学」と日本独自の伝承・文化が合わさったものです。

 ※霊山流は、家相・風水の両方を使います。
つまり、風水の角度の図と家相の角度の図の2枚の盤を重ねて「風水鑑定」を行っています。
ただし風水がメインで家相は参考程度に使っています。

考え方の違い

吉凶の判断の違い

方位と角度の違い

そもそ家相とは何?

家相は日本で独自に発達したもので、方位や気学の考え方、間取りや仕様について方位別に吉凶を判断し、日本の気候風土の中で自然との調和を考えて構築されました。

時代の歴史の中の中で育まれた統計的な状態を目指す生活の知恵を根元としています。

家相のタブーとは

家相には、北東(丑寅)を【鬼門】(きもん)と呼び,
南西(未甲)を【裏鬼門】(うらきもん)として水回りや火の元を特に注意しています。

日本では、すでに平安時代にはこの考え方はあったもようで、京都の社寺仏閣には取り入れている所があります。
例として、京都御所には北東の角の塀は凹んでいて、「猿が辻」と呼ばれています。

風水でいう【鬼門】とは?

中国の考え方をいいますと、中国の鬼(き)は、道教の影響で「魂魄」(こんぱく)の「魄」(はく)の部分のことだとされています。

「魂」(こん)は精神を支配し、「魄」(はく)は肉体を支配していると考えられています。
中国では、人が死ねば「魂」は3つに分かれて、1つは天に帰り1つは地に帰り1つは墓に帰ると考えられました。

先祖が風水地で「龍穴」として選ばれたところに埋葬されないと、「魂」は正しくそれぞれに帰ることが出来ずに「魄」が遺体に残されることによって殭屍(キョンシー)になってさまよう、と考えられました。ゾンビなども同じです。

だから、龍穴を求め大事にしました。道教(中国の思想)では「魄」(はく)は肉体を支配する【感情】のことをいい、
7つの感情「愛」「喜び」「哀しみ」「懼れ」(おそれ)「怒り」「悪」「欲望」を【7魄】と考えました。

中国人の考えた鬼とは、人の「魂」が抜け落ちて両親も正義心も無くなってしまい、引いては子孫まで悪い影響を受けてしまうと考えました。

だから、風水の盛んな折々では埋葬は2度行います。1度目は普通に土葬した後、3年ぐらい経って骨だけになった頃に、
死者の骨を風水師(地理師)の立ち合いの元、墓を掘り起こし、骨の色が飴色(あめいろ)、薄い黄色、金色なら「吉」として祝い、
これ以外の状況の時は墓を移し2度目の埋葬を(死者の引越し)も実行していました。

それほど、「魂魄」の思想を大切にしてきました。
ちなみに、骨を洗う行為を【洗骨】(せんこつ)といいます。

家相でいう【鬼門】とは?

日本の鬼は、もともと「隠」という字を当て、「隠された見えないもの」「人目に触れず裏側にあるもの」という意味や「人知を超えた力を持つもの」と畏怖されました。

原始の神は大自然の摂理そのものですが、その中で日本の神の概念に風水と同じく中国から伝来したものが、日本の神仏習合思想が深く関わりをもち、
風水とは別の日本独自の発展を遂げました。

特に目立つところでは、「太極思想」「陰陽道」も大きく影響し、平安時代の中期頃から病気や疫病、地震、火災、天災、水害などすべてを神の祟りが起こすものと考えられました。

「祟り」(たたり)とは、風水の所で記述した「7魄」の考え方が入り、
「怒り」「悪」「欲望」が、類似の概念として「呪い」が生まれ、神仏や霊魂などの超自然的存在が人間に禍を与えることといわれました。

また、その「悪気」を鬼と考え、その流れを【鬼門】の道として、「幽霊」「霊障」「怪奇現象」などを畏怖してきました。

ちなみに、鬼門(北東)、裏鬼門(南西)の道を【仏の道】(猿の道)、北西、南東を【神の道】(天狗の道)と呼ばれます。

まとめ

1、風水と家相の大きな違いは、方位の角度です。
・【風水】・・・ 45度
・【家相】・・・ 南北東西30度、それ以外60度
2、注意すべき共通点
・風水も家相も、【鬼門】【裏鬼門】を重視している